[生理時の血の塊]レバーのような塊が出る…病気のサイン?(30歳・主婦)
生理中に血の塊(凝血塊)を見ると不安になりますが、必ずしも病気とは限りません。「よくある範囲」と「相談したいサイン」を分けて解説します。
よくある“正常範囲”の塊
経血が子宮や腟内で一時的に滞留すると、体内の凝固機能でゼリー状の塊になることがあります。小さな塊が、ときどき出る程度で、痛みや貧血がなければ正常範囲のことが多いです。
受診を考えたいサイン
- 月経過多(下着まで漏れる/夜用でも1~2時間で交換が必要/レバー状の塊が大量に出る)
- 生理痛の悪化、めまい・息切れ・動悸など貧血症状
- 周期が乱れ、出血がダラダラ続く・すぐにまた来る
- 妊娠の可能性がある/生理予定日前後に塊を伴う出血(→流産の可能性)
- これまで無かったのに急に増えた/繰り返す
考えられる主な原因
1) 月経過多の原因疾患
- 子宮筋腫:子宮内にコブ(良性腫瘍)。過多月経・塊・貧血の原因に。
- 子宮腺筋症:子宮が厚く硬くなり、激しい生理痛と多い出血。
- 子宮内膜ポリープ:不正出血や塊の一因。
2) ホルモンバランスの乱れ(排卵障害・卵巣機能不全など)
排卵がない周期は内膜が厚くなりやすく、まとまって剥がれる→塊が増えることがあります。出血が長引くのも特徴。
3) 化学流産(超早期流産)
受精卵が着床した直後に続かなかった状態。生理予定日前後にいつもより多い出血や塊として気づくことがあります。妊娠検査薬が一度陽性→その後陰性に変わる場合も。
4) その他
- 器具・薬の影響(IUS/IUD、抗凝固薬など)
- 血液凝固異常(若年からの強い月経過多)
- 産後・流産後の内膜回復期 など
自己チェック&受診時のポイント
- 量の目安:昼用ナプキンが1~2時間もたない/夜用・タンポン併用でも漏れる→受診を
- 塊の大きさ・頻度:1円玉以上の塊が何度も出る/毎周期増えている
- 他の症状:生理痛の悪化、めまい・息切れ(貧血)
- 妊娠の可能性:生理予定日前後の出血は検査で確認を
受診時に役立つ持ち物:月経アプリの記録/塊の大きさが分かるメモや写真/使用ナプキン枚数/服用中の薬。
検査・治療の流れの一例:問診→内診・経腟超音波→必要により血液検査(貧血・ホルモン)→ポリープ疑いでは子宮鏡。治療は鉄剤、漢方、LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤)、IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)、手術(筋腫/ポリープ)が候補になります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 塊=必ず病気ですか?
A. 小さな塊がときどき出るだけなら正常範囲のことが多いです。量が多い・塊が大きい・貧血症状がある場合はご相談ください。
Q2. すぐにできる対策は?
A. 貧血予防に鉄を含む食事(赤身肉・レバー・小松菜・大豆)+ビタミンCで吸収UP。市販の鉄サプリは飲み合わせに注意が必要なので、心配な方は受診を。
Q3. 妊娠の可能性がある時の塊は?
A. 生理予定日前後のいつもと違う出血・塊は検査で妊娠の有無を確認しましょう。痛みが強い・出血が増えるときは早めに受診を。
まとめ・ご予約
生理時の血の塊は珍しくありませんが、量の増加・大きな塊・貧血症状・妊娠の可能性がある場合は、早めの評価がおすすめです。超音波と血液検査で原因を見極め、あなたに合った治療をご提案します。