[卵管摘出で卵巣がん予防] 米女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳房切除に続き、卵巣の摘出をしたと聞きました。卵巣がんについて教えてください( 33 歳・主婦)

婦人科で厄介な病気の一つが卵巣がんです。子宮がんの場合はワクチンで予防ができ、治療も初期ならば、ほぼ100%の割合で治ります。一方、卵巣がんは無症状のうちに進行する 〝沈黙の腫瘍(しゅよう)〟といわれ、初期発見が困難。見つかった時はかなり進行している場合が多く、特に予後が悪いといわれています。ワクチン予防もなく、いかに早く発見できるか、予防できるかが大切です。
アンジェリーナ・ジョリーのケースは、ガンの遺伝的リスクを排除するために行われたのもです。しかし、女性ホルモンを作り出している卵巣を取り除くと、更年期障害の症状が生じてきます。
米産婦人科学会では、卵管で発生したがん組織が卵巣に波及して卵巣がんになると結論付けています。卵管を切除すれば卵巣がんの発症が少ないというデータも出ており、子宮筋腫などで子宮を摘出する際に卵管を切除することも行われています。卵管を縛る卵管結紮(けっさつ)も大きな予防になり、今後、卵巣がん予防の選択肢の一つとなるでしょう。