プラセンタとは哺乳動物の胎盤のこと。お母さんのおなかの中で赤ちゃんを守り、育てる大切な役割を担う秘めた力を持っています。
漢方での呼び方は「紫河車(しかしゃ)」。古くは秦の始皇帝が不老長寿の妙薬として扱ったともいわれ、日本でも江戸時代、滋養強壮の薬として使われるなど、昔から医学的に利用されています。
医療用のプラセンタ注射は、人の胎盤から抽出した有効成分を用いて、筋肉注射をします。肝機能障害の治療に使われる「ラエンネック」と、更年期障害などのホルモン系の治療に使われる「メルスモン」の2種類。それぞれの治療目的以外の使用は法律で認められていません。
また、タンパク質やミネラルなど栄養豊富なプラセンタは、自律神経の調整作用、免疫賦活(ふかつ)・調整作用など、弱った機能の回復や自然治癒力を高める働きも。胎盤を洗浄・加工処理・完全滅菌したものを皮下に注入すると、アレルギー疾患やぜんそくの症状が改善するケースも多く見られます。
飲み薬(液体、カプセル)に関しては、主に豚の胎盤が使われています。最近では、活性酸素除去、コラーゲンやヒアルロン酸をつくり出す繊維芽細胞増殖作用といった美容目的で服用される方も増えました。こちらは保険適用外です。