AMH(抗ミューラー管ホルモン)とは、発育過程の卵胞から分泌される女性ホルモンのこと。このAMHの血中濃度の値で、卵巣年齢が分かります。これにより卵巣にどれくらい卵子が残っているか在庫が判断できます。つまり、AMHの値が高いほど卵子の数が多く、卵巣年齢が若いということになります。
女性の卵子は、胎児のときにつくられたものが保存され、新たにつくられることはありません。排卵を繰り返して卵子の数は減っていきます。卵子の減るスピードには個人差があり、実年齢が若くても卵巣年齢の高い人、逆に実年齢が高くても卵巣年齢の若い人など、実年齢や見た目では分かりません。抗がん剤や放射線治療、過度なダイエットは卵巣に悪影響を与えるといわれます。
このように、AMHは卵巣の予備機能を知る有力な手掛かりになり、何歳ごろまで妊娠できるかというタイムリミットの目安にもなります。このため、なかなか妊娠しないという人が不妊治療の方針を決めるために受けることも多いようです。ただし、卵子の質は分からないので、卵巣年齢だけで妊娠の確率を判断することはできません。
今の卵巣の状態を把握して人生設計の参考にしようと検査を受ける人もいます。採血だけなので検査は簡単ですが、保険適用外。費用は病院によって異なります。気になる方は各医院にお尋ねください。