自家がんワクチンとは、がんの再発防止、転移予防、残存がんの治療を目的にした免疫療法のこと。がんの病巣を摘出する手術の際に、自分のがん細胞を確保してホルマリン漬けで保存し、特定の施設に送ると、がん細胞と免疫刺激剤を混ぜてワクチンが作られます。ですから、がんの手術前に、執刀医に自家がんワクチン療法を行うことを伝え、組織の提供に応じてもらう必要があります。完全なオーダーメイドで、その患者自身にしか効果はありません。
治療期間は約6週間。投与スケジュールに従って3回注射します。入院の必要はなく外来通院で投与できます。
自由診療のため、全額自己負担になります。1クール(免疫反応テスト2回とワクチン投与3回)の費用は、150万円前後です。※受診する病院によって異なります。
それでは、自家がんワクチンはどのように働くのでしょうか。
がん細胞には「がん抗原」があります。このがん抗原は、人の免疫細胞が「異常」を見分ける目印になります。自家がんワクチンを投与すると、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が誘導されます。このCTLは、「異常な目印」を覚え込み、がん細胞だけを選択して攻撃するのです。副作用がほとんどないというメリットがありますが、自己免疫病を持っている場合は病気が悪化する可能性があるのでNGです。