[乳がん・卵巣がんの遺伝子検査] アメリカの人気女優、アンジェリーナ・ジョリーさんが遺伝子検査を受け、乳房切除したニュースを聞きました。詳しく教えてください。(36歳・主婦)

乳がんや卵巣がんの約5~10%は、遺伝的要因が影響して発症すると考えられています。遺伝子検査とは、血液中のがん抑制遺伝子(BRCA1、BRCA2)の変異を調べて、がんのリスクを評価する検査。自費なので日本では約20万円かかり、カウンセリング体制が整っている施設でしか受けられません。
ジョリーさんは「遺伝性乳がん・卵巣がん」の遺伝子検査を受けた結果、変型BRCAが見つかり、将来的に乳がんになる確率が87%、卵巣がんになる確率が50%と説明され、予防的に乳房切除術を受けたと報道されています。
ジョリーさんの母親は乳がんと卵巣がんを併発して56歳で亡くなりました。身内が〝若年〟でがんで亡くなっている場合は、予防的摘出も一つの選択肢になり得るとは思います。しかし、がんは遺伝性のものばかりではなく、遺伝子異常があったからといって必ずしも発症するわけではありません。リスクを下げるために卵巣、卵管、乳房を切除する方法は、日本ではなかなか広がりにくいように感じます。 それよりも問題は、日本の場合、海外に比べて乳がんの検診率が非常に低いこと。検診率を高めれば、乳がん死亡率が減ると考えられます。まずは検診を定期的に受けることをお勧めします。