ある臓器にがんが見つかって、詳しく検査をすると全く異なる場所にがんが見つかることがあり、これを重複がんといいます。
重複がんは転移とは違います。転移とは、がんが原発巣からほかの部分へ移った状態。一方、重複がんとは、転移したのではなく、それぞれが別個に発生したものを言います。同じ時期に見つかる場合を「同時性重複がん」、治療した後に見つかる場合を「異時性重複がん」と呼びます。それぞれが初期の段階であれば、治療は十分可能です。 MRI(磁気共鳴画像法)やCT(コンピューター断層撮影法)が体の断層像を撮影するのに対し、PET(ポジトロン断層撮影法)は体の代謝活動を画像化します。最近はPETにCTを組み合わせたPET-CTが普及しました。メリットとして、全身のスキャンができ、CTだけでは分かりづらい病巣を発見しやすくなったということがいえます。
婦人科系のがんが見つかり、PET-CTで検査してみると、肺がんが見つかったというケースもあります。このように必ずしも重複がんになるわけではありませんが、あるがんが見つかった場合、手術する前に、全身を一通り検査しておくのもよいのではないでしょうか。