婦人科で乳がん検診をするとき、首やわきの下などのリンパ線を触診します。そのとき、甲状腺の病気が引っ掛かることがあります。ですから、乳がん検査のついでに、甲状腺も見てもらうことをお薦めします。 乳がん検診は触診の後、「マンモグラフィ」と「超音波検査」の2種類がありますが、乳腺がマンモグラフィでは写りにくく、超音波の方がはっきり見える場合があります。もし、触診や視診の段階で甲状腺に異常があった場合は、乳房を超音波で見てもらうとき、甲状腺も見てもらうとよいでしょう。
超音波検査で異常があれば、血液検査などを行って、がんが疑われる場合は外科医に紹介状を書く流れになります。 甲状腺がんと診断されれば、治療は手術が第一選択に。甲状腺がんには、乳頭がん、濾胞(ろほう)がん、髄様(ずいよう)がん、未分化がんなどに分類され、どのタイプかで悪性度や予後が異なります。そのうち最も多いタイプは乳頭がんで約85%を占め、次いで多いのは濾胞がん。この2つは比較的予後が良好です。最も悪性度が高いのは未分化がんです。
甲状腺がんは、男性に比べて女性の方がかかりやすい病気です。最近、20代~30代の若い世代にも見られるので乳がん検診のときに一緒にチェックしてもらうとよいでしょう。