過活動膀胱(以下OAB)は、自分の意思と関係なく膀胱が勝手に収縮し、尿意切迫感、頻尿、尿漏れなどを引き起こす病気です。
OABは、「朝、起きたときから寝るまでに何回尿をしたか」「夜間に何回尿をしたか」などを尋ねる問診票の回答と、尿検査で診断します。膀胱がんなどほかの病気がが疑われるときには、尿細胞診や血液検査、超音波検査も行います。 OABの原因は、脳血管障害、骨髄損傷、パーキンソン病などの「神経因性」と、それ以外の「非神経因性」に分けられます。非神経因性の例では、妊娠・出産・加齢で骨盤底筋の弱まりが原因になっていることがあり、その場合は骨盤底筋体操を指導します。
原因が見当たらない人には、抗コリン薬による治療が一般的。ただし、緑内障を治療中の人はこの薬を飲めないのでそれ以外の薬を飲みます。また、水分を控える、カフェインを取り過ぎないといった生活指導や、トイレとトイレの時間を少し我慢して膀胱の容量を増やす訓練をする場合もあります。 バス旅行に行けない、夜中に目が覚めて睡眠不足になる、など困っている人が潜在的には多いようですが、病院受診率は低いのが現状です。泌尿器科だけでなく、産婦人科でも対応できます。尿の悩みがあったら受診してみましょう。