子宮筋腫は良性の疾患で、30代の女性20〜30％が持って
いるといわれます。生理の量が多い過多月経、生理が長い
過長月経、不正出血、生理痛、膀胱（ぼうこう）圧迫によ
る排尿障害などの症状があり、不妊症の原因にも数えられ
ます。無症状の人も多く、その場合は経過観察を行います。
　症状がある人にはさまざまな治療法が試されています。
漢方では、子宮筋腫は骨盤の血の流れが悪く、
「瘀（お）血」と呼ばれる状態。主に桂皮茯苓丸（けいひ
ぶくりょうがん）、当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）
が処方されます。
　また、ＧｎＲＨアゴニスト（点鼻薬・注射剤）を投与す
るホルモン療法で筋腫を小さくすることができます。
最近、ＧｎＲＨアンタゴニスト（レルゴリクス）という内
服薬も登場しています。いずれも副作用として生理が止ま
る、ほてり、不正出血などがありますが、治療を止めると
副作用もなくなります。
　閉経後は女性ホルモンの分泌が減少し、多くの子宮筋腫
は縮小します。