
Fertility Treatment不妊外来
もしかして不妊かも?と思ったら
「そろそろ赤ちゃんが欲しいな」と考えているけれど、なかなか妊娠しない…。そんなとき、少し不安な気持ちになりますよね。
一般的に、避妊をせずに夫婦生活を送っているにもかかわらず、1年以上妊娠しない状態を「不妊症」といいます。ただし、年齢によっては半年を目安に考えた方がいい場合もあります。
「もしかして私たち、不妊症なのかな?」 「いつから病院に行けばいいんだろう?」 「検査や治療は痛いのかな?」
そんな風に、ひとりで悩んでいませんか?
不妊の原因は人それぞれで、原因は女性側だけにあるとは限りません。男性側に原因があることや、カップル両方に原因があること、時には原因がはっきりと分からないこともあります。
大切なのは、不安な気持ちをひとりで抱え込まず、まずは相談してみることです。あなたの「赤ちゃんが欲しい」という気持ちに寄り添い、最適な方法を一緒に見つけていくことが、夢をかなえるための大切な第一歩になります。
当院の不妊治療について
当院の不妊外来では、「赤ちゃんを授かりたい」と願うお一人おひとりの気持ちを大切に、心と体に負担の少ない治療から始めることを基本としています。
まずは、なぜ妊娠に至らないのか、原因を突き止めるための検査を行います。検査結果に基づいて、お二人のライフスタイルやご希望を丁寧にお伺いしながら、今後の治療方針を一緒に決めていきましょう。
当院で行っている不妊治療は、「タイミング法」と「人工授精」です。 検査によってお体の状態を正確に把握し、妊娠の可能性が最も高まる方法をご提案することに重きを置いています。
より高度な治療(体外受精など)が必要と判断される場合には、責任をもって専門の医療機関へご紹介しますので、ご安心ください。
基本的な検査
不妊の原因を特定するために、お体の状態をさまざまな角度から調べていきます。
基礎体温測定
ご自宅でできる最も基本的な検査です。毎朝、目が覚めたら起き上がる前に、婦人体温計で体温を測り、記録します。
グラフにすることで、きちんと排卵が起きているか、女性ホルモンが正常に働いているかなどを推測できます。治療方針を決める上で大切な情報源になります。
一般精液検査
不妊の原因の半分弱は実は男性側にあると言われています。そのため精液検査は男性側の原因を調べる、非常に重要な検査です。ご自宅などで採取していただいた精液を顕微鏡で詳しく調べます。精液の量、精子の数、元気に運動している精子の割合(運動率)、精子の形などを確認し、自然妊娠が可能な状態かどうかを判断します。
頸管粘液検査
排卵が近づくと、子宮の入口(子宮頸管)から、精子が子宮内へスムーズに進むのを助けるための、透明で伸びるおりもの(頸管粘液)が分泌されます。
この検査では、排卵の時期に頸管粘液の量や性状を調べることで、精子を受け入れやすい状態になっているかを確認します。
フーナーテスト(性交後試験)
「精子と頸管粘液の相性」を調べる検査です。排卵日に合わせて性交渉を持っていただき、その翌日にご来院いただきます。
頸管粘液を少量採取し、その中に元気に運動している精子がいるかどうかを顕微鏡で確認します。精子が子宮の中まで、きちんとたどり着けているかをチェックする大切な検査です。
子宮卵管造影
卵子は卵管で精子と出会い、受精します。この「出会いの場」である卵管が詰まっていないか、通り道が確保されているかを調べる、とても重要な検査です。
また、受精卵が着床する子宮の内部に、ポリープなどの異常がないかも同時に確認できます。細いチューブから子宮内に造影剤を注入し、レントゲン撮影を行います。
経腟超音波検査
プローブと呼ばれる細長い器具を腟内に挿入し、超音波で子宮や卵巣の状態を直接モニター画面に映し出して観察します。
子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫といった病気の有無のほか、卵子の元となる卵胞の大きさや、受精卵のベッドになる子宮内膜の厚さを確認できます。不妊治療においては、診察のたびに行う最も基本的な検査です。
タイミング法
タイミング法は、最も自然な妊娠に近く、体への負担が少ない治療法です。
超音波検査で卵胞(卵子が入っている袋)の大きさを計測したり、ホルモン検査を行ったりして、排卵日を正確に予測します。そして、最も妊娠しやすい「この日」というタイミングをお伝えし、ご夫婦で性交渉を持っていただきます。
ご自身で排卵検査薬を使ってタイミングを合わせているけれど、なかなかうまくいかない…という方も多くいらっしゃいます。医師の目で正確な排卵日を特定することで、妊娠の可能性がぐっと高まります。
こんなお悩みがある方におすすめ
- ・不妊治療を何から始めたらいいかわからない
- ・まずは自然な形で妊娠を目指したい
- ・生理周期が不規則で、排卵日がいつなのかわかりにくい
- ・ご夫婦の検査で、特に大きな問題は見つからなかった
人工授精(AIH)
当院で行う人工授精に関しては、AIHおよびスイムアップAIHという2種類の方法で行っております。スイムアップAIHというのは、一般的なAIHに精子を濃縮する工程を挟んだ方法で一般的なAIHで妊娠に至らなかった場合に行います。
以下にスイムアップAIHの流れを説明します。
人工授精と聞くと、「なんだか大がかりな治療?」と少し怖いイメージがあるかもしれません。でも、実際はそうではありません。
まず、ご自宅や院内で精液を採取していただきます。その精液を専用の液体で洗浄し、元気な精子だけを集めて濃縮します。そして、排卵のタイミングに合わせて、細く柔らかいチューブを使い、その精子を子宮内に直接注入する方法です。
痛みはほとんどなく、内診台での処置は数分で終わります。精子が卵子と出会うまでの距離をショートカットしてあげることで、受精の確率を高めるお手伝いをする治療、と考えていただけると分かりやすいかもしれません。
受精から妊娠までのプロセスは、自然妊娠と全く同じです。
こんなお悩みがある方におすすめ
- ・タイミング法を何度か試したけれど、結果につながらない
- ・精子の数が少なめ、または運動率が少し低い
- ・性交渉の回数が少ない、または性交渉を持つことが難しい(EDなど)
- ・精子と頸管粘液(おりもの)の相性が良くない(フーナーテスト不良)