生理が始まる前の精神的に不安定な症状を「月経前緊張症」または「月経前症候群」(PMS)といいます。具体的には、月経が始まる10日くらい前から「イライラする」 「怒りっぽくなる」「落ち込む」「無気力になる」などの精神症状が現れ、生理が始まると落ち着いてきて、生理が終わるころには症状が消えるというもの。人に八つ当たりし、夫婦仲が悪くなるという ケースもあります。
ずっと精神症状が続くなら、うつ病の可能性もありますが、症状が月経前に限って起きているなら月経前緊張症の可能性が高いので、産婦人科へ。基礎体温をつけて体調変化を記録するなどして、どの時点から症状が起きているかをチェックすることが大切です。
自分が月経前緊張症だと気付いていない人も多いようです。原因が分かれば、気分的にはラクになります。家族に話して理解してもらえば、トラブルが減るでしょう。
ここでは、3つの治療法を紹介します。1)症状が起こったときだけ西洋薬を服用する方法。イライラする人は安定剤、うつ状態の人には抗うつ剤が処方されます。2)血・気のめぐりをよくする漢方薬で対処する方法。3)低用量ピルを飲んでホルモンの調節をする方法。2)と3)は、症状が出るときだけでなく毎日飲み続けます。日常生活に差し障りがない人は様子を見ればいいでしょう。