[腫瘍マーカー検査とは] 人間ドッグのオプションに腫瘍(しゅよう)マーカー検査がありますが、これはどのような検査ですか。(35歳・OL)

体のどこかにがんができると、ある特殊なタンパク質が産生されます。このタンパク質を腫瘍マーカーといい、がんの種類によってタンパク質が異なります。例えば、 卵巣がんはCA125、子宮頸がんだとSCCなどのマーカー名になります。腫瘍マーカー検査はマーカーの数値でがんの有無を見るスクリーニング(ふるい分け)です。
ただし、実際はがんがあるのに、検査では正常の結果が出ることがあります(偽陰性)。逆に、実際はがんではないのに、高い数値の結果が出る場合も多々あります(偽陽性)。良性腫瘍、慢性肝障害、腎障害、呼吸器の慢性炎症などでも高い数値になることがあるからです。
また、多くの種類の腫瘍マーカーが、早期がんで上昇することが少なく、「早期がんを発見できる」とは、必ずしも言い切れません。ただし、前立腺がんのマーカーであるPSAは、比較的早期から上昇する傾向があり、早期がんの発見に役立つといえます。
医師は、漠然と腫瘍マーカー検査をすることはなく、進行がんの人の抗がん剤治療の効果測定をしたり、がん再発の目安に用いたりするなど、患者さんの状態に応じ、目的を持って検査をしているものです。早期発見のためには子宮がん・卵巣がん検診、乳がん検診などそれぞれの特定検診がより有効と思われます。