膣トリコモナス症は、「トリコモナス原虫」という虫が原因となる感染症です。虫といってももちろん目に見える大きさではなく、顕微鏡でないと見えません。女性の場合は、膣、子宮頚(けい)管、膀胱(ぼうこう)などに虫が寄生します。主に性行為で感染しますが、まれに浴場やトイレなどで感染することもあり、すべての感染経路が性行為とはいえません。 10~20%は無症状。症状が出る人の場合、白っぽい泡状のおりものが増えたり、外陰部にかゆみが生じたりします。膣に炎症が起きているので、性行為のときに痛みを伴うこともあります。
診断は、おりものを顕微鏡で見て虫をチェックします。トリコモナス原虫がいれば動いていてはっきり見えるので、すぐに診断できます。虫の数が増えると症状が出ますし、少なければあまり症状が出ないでしょう。自然消滅はしないので治療する必要があります。 経口薬の服用と膣の洗浄で、約10日~20日の短期間で治ります。
ここで重要なのは、パートナーも治療すること。本人だけが治療しても、パートナーの感染を放っておけ ば、また感染して再発を繰り返すことになります。結婚している人や恋人がいる人は、必ず2人同時に治療しましょう。