細菌性膣(ちつ)症が疑われます。 正常な状態の膣は、乳酸菌の一種・乳酸桿(かん)菌が乳酸を作り出すことによって酸性に保たれており、細菌の繁殖を防いでいます。
しかし、抵抗力の低下などで乳酸桿菌が減少し、膣内環境が損なわれた状態で、月経や性行為の際に細菌が入り、繁殖すると、「細菌性膣症」を発症します。性感染症ではなく、原因菌が特定できません。最近では、市販の商品による膣のセルフ洗浄のやり過ぎで本来の自浄作用を失う人が増えています。
発症した約半数の人は、自覚症状がなく、あってもオリモノの量が少し増えるくらいです。大したことはないだろうと放っておく人も少なくありません。中にはオリモノの色が灰色、臭いがきつくなるという人もいます。
治療は、メトロニダゾール膣錠で膣内を洗浄する局所療法が主流。内服療法もありますが、妊娠している人(12週未満)は内服できません。さらに、早産や流産のリスクが高くなるので、注意が必要です。 一番気を付けなければならないのが、膣内で繁殖した細菌が子宮、卵管、骨盤…と、どんどん上の 臓器に感染する上行感染。子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎などを起こすことがあります。早めに婦人科で診てもらうことが大切です。