子宮の入り口にできるのが子宮頸がん、子宮の奥にできるのが子宮体がん(子宮内膜がん)です。
私が医者になった30年近く前は、95%が子宮頸がんで、5%が子宮体がんというほど、圧倒的に頸がんの割合が高かったのですが、その後、体がんが年々増加し、今では半々くらいにまで頸がんに迫ってきました。
しかし今でも、子宮がん検診で診断するのは、頸がんのみです。体がんの検査は別に必要です。 不正出血が続くなどの症状が出て分かるケースが一番多いのですが、不妊治療の際、いろいろ検査をしていて偶然分かることもあります。自覚症状のない人が多いため、検査しなければ早期発見は難しいといえます。早期発見をしようと思ったら、子宮の中に細い管を入れて細胞を採取する子宮内膜細胞診で診断するのが一般的です。
頸がんの原因はヒトパピローマですが、体がんの原因は分かっていません。食の欧米化が遠因ともいわれています。
体がんの発症は女性ホルモンと関係があると考えられ、出産経験のない人や肥満の人のリスクが高いことが分かっています。乳がんの治療をした人は、子宮体がんの検査はしておくべきです。また、月経とは関係のない出血を繰り返している人や、閉経後も少量の出血が長く続くという人は要注意。検査を受けた方がよいでしょう。