[B群溶血性連鎖球菌]  「B群溶血性連鎖球菌」という菌が赤ちゃんに影響すると聞いたのですが、妊娠中に検査した方がいいのでしょうか。(30歳・主婦)

新生児が、髄膜炎、敗血症、肺炎などにかかったとき、検査してみるとB群溶血性連鎖球菌(GBS)が原因だったと分かることがあります。  膣の中にはもともと常在菌が存在し、このGBSもその一つです。常在菌なので、妊婦の約1割程度がGBSを保有しているといわれます。妊婦自身には何の影響もないのですが、もし赤ちゃんに感染すると、前述の髄膜炎などのように重篤な症状を起こすことがあります。生後1週間以内に発症する「早発型」が約8割、生後8日以降の「遅発型」が約2割を占めるといわれています。
最近では、妊娠中にGBSを検査する施設が増えてきています。検査はおりものを調べるだけなので簡単。検査でもし陽性と分かった場合、陣痛が始まってから抗生物質を点滴で投与します。こうした予防的治療によって、早発型の場合の発症の可能性が低くなるからです。
このような予防治療をしなくてもGBS保有の母親から生まれた赤ちゃんが全員感染するわけではなく、実際にGBS感染症を発症する割合は1~2%程度です。ただし、ひとたび発症すると重篤な症状を引き起こす可能性があるのも確か。妊婦の通常の検査には入っていませんが、陽性と分かれば対策をとることができるので、検査はしておくとよいでしょう。