もし風疹の抗体を持たない妊婦が風疹にかかると、赤ちゃんは「先天性風疹症候群」になる可能性があります。生まれてきた赤ちゃんに、心臓の形態異常が見られたり、白内障、網膜症、小眼球など目の異常があったり、聴力障害や精神発達遅延のケースもあります。特に、妊娠初期(約4カ月以内)に感染した場合は、先天異常の発生頻度が高くなります。 風疹の主な症状は、発疹や微熱。比較的軽い病気ですが、妊婦がかかると赤ちゃんに影響を及ぼすという点では、怖い病気です。しかも、風疹にかかっているのに症状が全く出ない状態の場合もあります。これは「不顕性(ふけんせい)感染」と呼ばれ、約20~ 50 %もあるといわれています。
妊婦健診の血液検査の中には、風疹の抗体検査も含まれています。妊婦健診で「抗体がない」または「抗体値が低い」という結果が出たら、人混みを避けた方がよいでしょう。そして出産後は、次の子どもを妊娠する前に、忘れずワクチンを接種しておくことです。 予防接種で十分な免疫がつけば、風疹にはかかりません。ですから最も有効な手立ては、妊娠する前に予防接種を済ませておくことです。適齢期になった女性は、一度は抗体検査を受け、抗体がなかったら、ワクチンを接種すべきです。そして接種を受けた後、3カ月は避妊してください。